頭頸部癌とお酒
宮城県立がんセンター 頭頸部外科
浅田 行紀 先生
頭頸部癌は脳の下側から鎖骨までの範囲に含まれる部分にできるがんで、舌癌や咽頭癌などが含まれています。頭頸部癌の特徴は生活の質に直結するがんだということです。例えば舌がなくなればしゃべる食べるに障害が起きますし、味覚だって残った舌の大きさによってはなくなってしまいます。また、顔面の形態の維持や表情の形成を行うのも頭頸部であり、整容的な配慮も必要になります。心臓や肝臓みたいになくなれば死ぬというような臓器ではありません。社会生活を送るうえでとても重要な臓器が多いがんです。
厚生労働省から今年二月、飲酒に関する初のガイドライン(指針)が発表されました。癌はアルコール(お酒)の量に依存して増える疾患ですが、その中でも特に頭頚部癌はアルコールと関連が深いとされています。日本人はアルコールを分化する酵素の力が弱いタイプの人が多く癌になりやすいので注意が必要です。
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