メディカルアドバイスとして本サイト上に掲載されている内容に関しまして、あくまでも一般的なアドバイスとして参考にされ、耳(みみ)・鼻(はな)・喉(のど)に異常がある際には、ご自分で判断せずお近くの耳鼻咽喉科での受診をお薦め致します。
耳(みみ)・鼻(はな)・喉(のど)に関して、参考になるサイトをご紹介致します。ご活用下さい。
滲出性中耳炎
◆滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)は子供に多い!
滲出性中耳炎は、小児と高齢者に多いと言われますが70%〜90%は小児です。特に診療所では5〜7才にピークがあり、10才以降は減少しています。60%以上の0才児に中耳の異常が発見されています。
◆今ここに子供(小学1〜2年生)が100人いたら
ある小学校での追跡調査で、小学校1年春(6才)〜2年春(7才)では約3%が滲出性中耳炎でした。その後学年が進むにつれて比率は減少していました。
今は元気な子供でも、小学校入学までに、5人に4人は滲出性中耳炎を経験しています。健康な小児でも小学校入学までに80%は滲出性中耳炎になったことがあるという報告があります。
◆滲出性中耳炎はどんな時になるか
1.かぜをひいた時(咳が出る・黄色の鼻汁・のどが痛む)
特に以前、急性中耳炎(耳が痛む)にかかった子供では注意必要です。
2.アデノイド・扁桃の大きい人
3.ちくのう症の人
◆こんな時は注意しよう!
乳児:耳をいじる。ぐずついてよく泣く。
幼児:言葉の発育が遅い。おこりっぽくよく泣く。
年長児:呼んでも返事をしない。聞き返す。テレビの音を高くする。言葉少ない。イライラする。
学童:落ち着きがない。協調性がない。学業不振。内向的。自信喪失。
◆滲出性中耳炎の治療法:耳鼻咽喉科では次のような治療を行います。
1.鼻とノドの治療
この病気は鼻やノドの悪い子供に多いので、鼻やノドの治療も必要です。
2.通気療法
耳と鼻を結ぶ管(耳管)から空気を送ることによってたまった液の排泄を促します。
3.鼓膜切開・穿刺
鼓膜に小さな孔をあけて中耳にたまった液を取り除く方法です。鼓膜は再生力が強いので、繰り返し行っても心配ありません。
4.チューブ挿入
鼓膜切開を行っても治りが悪い時には、鼓膜切開後に小さなチューブを挿入します。
5.アデノイドの切除
アデノイドは耳管の出口にあるので、アデノイドが大きいと耳管をふさいでしまいます。そのような時はアデノイドを取り除きます。
◆医師からのアドバイス
1.予防するために
鼻汁・鼻閉のある時は医師の治療を受けましょう。
2.定期検診を受けましょう
特に乳幼児から低学年児童までは大事です。
3.日常生活上の注意
・水泳をする時
・飛行機に乗る時
アレルギー性鼻炎のある人
※これらの場合は、医師と相談して下さい。
・教室では前の席になるように担任の先生に相談しましょう。
4.長期にわるたる治療を医師と協力して耐え抜きましょう。
◆治療をしないとどうなるの?
中耳内貯留液が器質化し、次には鼓膜が中耳内壁とゆ着し、手術等の治療でも「聞こえ」が完全に回復することが困難な「ゆ着性中耳炎」に移行することも少なくありません。
◆三歳児健診
保健所で行う三歳児健診のときに聴覚健診を行っております。
健診では、【きこえ】と【ことば】に関して
1.アンケート
2.ティンパノメトリー(鼓膜の検査)の検査をします。
※異常が疑われた場合は、耳鼻科受診や精密検査が必要なことを手紙でお知らせします。
◆健診で検出されるのは?
難聴・言語障害
・高度難聴の多くは3歳以前に発見されます。
・中等度〜軽度難聴は本人も家族も気づかないことが多い。
【たとえば】
滲出性中耳炎は健診で検出された子供の約80%がそれまで気付かれていません。
【その他にも】
癒着性中耳炎や、真珠腫性中耳炎などの難治な中耳炎も発見されています。
三歳児は、子供の言語発達、知能、情緒の発達に重要な時期です。早期発見、治療、教育のため、健診は、必ず受けさせましょう。